「ラムザイヤー論文をめぐる国際歴史論争」シンポジウム
2021年4月24日、東京 永田町の星稜会館にて「ラムザイヤー論文をめぐる国際歴史論争」シンポジウムが開催されました。西岡力教授や有馬哲夫教授など日本を代表する慰安婦問題の保守論客が一同に集まり、ラムザイヤー教授からもビデオメッセージが送られるなど、画期的、かつ、後世に残るであろう充実した内容のシンポジウムとなりました。
本記事では、このシンポジウムにおける主な論点、主張、キーメッセージなどを書き出し、文章をクリックするだけでシンポジウムの動画の該当部分にジャンプするように設定しています。
西岡力 ラムザイヤー論文批判への反論
西岡力 麗澤大学客員教授(現代朝鮮研究者)
性奴隷説は学会のひとつの説にすぎません。日韓の学会では性奴隷説を否定する公娼説にたつ学者も多数存在します。
声明は性奴隷説の根拠である先行研究として吉見義明氏の「 Comfort Women: Sexual Slavery in the Japanese Military During World War II」をあげています。しかし、日本の学界では吉見氏と並んで秦郁彦氏の『慰安婦と戦場の性』がこの問題の権威ある研究書とされています。その中で秦氏は性奴隷説を否定しています。
公娼説を唱える学者は、秦郁彦氏以外にも李栄薫・前ソウル大学教授などもいらっしゃいます。
一つの学説にしかすぎないものに先行研究で断定していると書いていること自体、この経済学者の声明は間違っている、ということであります。
日本政府も令和に入って積極的に反論を始めましたが、「性奴隷」という表現は、事実に反するので使用すべきでありません。というのが日本政府の公式見解であります。この点は、2015年12月の日韓合意の際に韓国側とも確認しており、外務省のホームページにも書いてあります。
(日本外務省ホームページ https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000472256.pdf)
それなのに、彼ら経済学者の声明は性奴隷説しかない、と言っている。
これは明らかに事実関係の誤りであります。
次に声明は「強制連行だ」と言っています。
(その間違いを指摘します)
(以降、声明における「慰安所における慰安婦の生活においてレイプや拷問が繰り返されていたという虚偽」「慰安婦の75%が死亡したというでたらめ」「河野談話の誤った解釈」などの指摘が続く
高橋洋一 エコノミストから見たラムザイヤー論文
高橋洋一 嘉悦大学教授(経済学者)
有馬哲夫 ラムザイヤー論文批判をめぐるメディアの問題
有馬哲夫 早稲田大学社会科学部・社会科学総合学術院教授(メディア研究)
藤岡信勝 ラムザイヤー論文と歴史教科書-「従軍慰安婦」記述復活問題-
藤岡信勝 教育評論家(元東京大学、拓殖大学教授)
イ・ウヨン氏 ビデオメッセージ
イ・ウヨン 落星台経済研究所研究委員(経済史学者)
ラムザイヤー教授 ビデオメッセージ
ラムザイヤー教授(ハーバード大学 法学者)
討論
秦郁彦 歴史家(元拓殖大学、千葉大学、日大教授)
高橋洋一 嘉悦大学教授(経済学者)
有馬哲夫 早稲田大学社会科学部・社会科学総合学術院教授(メディア研究)
高橋史朗 保守活動家、右派思想家、麗澤大学大学院学校教育研究科特任教授
司会 藤岡信勝 教育評論家(元東京大学、拓殖大学教授)
高橋史朗 氏
今日、藤岡先生の資料の中で中学校の慰安婦記述の問題が、山川の例があがっております。私は、高校の教科書はもっともっと深刻な事態になっていると。「歴史総合」という新しい科目が登場しております。3月に新聞でも報道されましたけれども、12点中9点に慰安婦記述がございます。山川と同じく「従軍慰安婦」という言葉を使っているのは実教出版と清水書院。そして「慰安婦として従軍させられた」というのが東京書籍でございまして、その他にも9点慰安婦記述をしていると。なぜこのように高校の教科書に慰安婦記述が大量にでてきたかという背景をぜひ知っていただきたい。
今日は時間の関係で詳しくお話できないのですが、私は、「歴史認識問題研究」という研究誌の8号に30ページほどの論文を書いています。それは、日本学術会議の中にジェンダー関連の分科会が4つありまして、それを率いているのは上野千鶴子。大沢真理、男女共同参画を率いてきた論客の一人でもございます。「歴史学とジェンダーに関する分科会」というのがシンポジウムを平成21年にやっています。なぜ慰安婦問題が前面にでてきたかというと、歴史を書き換える、と。ジェンダーという視点から歴史を書き換える、と。そこでは性支配とか性抑圧とか、そのキーワードになるのが慰安婦だと(言っています)。