コロナ禍で揺れる入国制限 – しかし「特段の事情」があればOK
2021年1月8日、東京都を始めとする1都3県に対して政府の緊急事態宣言が発令されました。これを受けて1月13日、以前からネットを中心に批判が多かった「外国人の入国」に関して、やっと「全面的な入国制限」となるような動きになっています。
(NHKニュースより)
しかしながら、まだ問題をはらんでおり、この状態では全面的な制限ではありません。
なぜなら「特段の事情がある場合」は外国人の入国が可能だからです。
(法務省のサイトより)
詳細は以下をご参照ください。
では、この「特段の事情」でどれほどの人数の外国人が入国しているのか。
外交部会、水際対策の「水漏れ」対策を議論。ビジネストラック等が停止でも実は人道上の理由等特別の事由が有れば外国人が入れます。12月は4991名がそれに当たります。基準が曖昧だと漏れます。その他にも日本人や再入国外国人は毎月約8万人弱入国、その14日間管理措置も弱い現状。対策が必要 pic.twitter.com/b4wGYyfC5n
— 佐藤正久 (@SatoMasahisa) January 14, 2021
自民党・佐藤正久議員によれば、12月に4991名とのことです。単純計算すれば、「特段の事情」1年で5万人以上の外国人を入国させることになります。
一方でビジネストラック入国の主役は「実習生」「留学生」
1月14日のYahoo! ニュースによれば、「ビジネス往来」再開を掲げた緩和政策に基づいて日本に入国した外国人のうち、中国、ベトナム、インドネシアの3カ国国籍の人が合計で約7割を占めていたそうです。
【菅義偉首相は13日、コロナ禍にあって就任以来推進してきた入国緩和政策を全面停止することを打ち出した。「ビジネス往来」再開を掲げた緩和政策に基づいて日本に入国した外国人のうち、中国、ベトナム、インドネシアの3カ国国籍の人が合計で約7割を占めていたことが、出入国在留管理庁(入管庁)の集計で分かった。3カ国からの入国者の在留資格は、「留学」「技能実習」が計8割強に上った。】
菅義偉首相は13日、コロナ禍にあって就任以来推進してきた入国緩和政策を全面停止することを打ち出した。「ビジネス往来」再開を掲げた緩和政策に基づいて日本に入国した外国人のうち、中国、ベトナム、インドネシアの3カ国国籍の人が合計で約7割を占めていたことが、出入国在留管理庁(入管庁)の集計で分かった。3カ国からの入国者の在留資格は、「留学」「技能実習」が計8割強に上った。
2カ月で9万7000人超
入管庁の集計「国際的な人の往来再開に向けた段階的措置等による入国者数(速報値)」によると、2020年11月1日から21年1月3日までの2カ月余りで、緩和政策に基づいて計9万7716人が入国した。このうち国籍別では中国が3万1835人(32.58%)、ベトナムが2万9549人(30.24%)、インドネシアが6783人(6.94%)を数えた。この3カ国だけで計6万8167人となり、緩和政策入国者全体の69.76%を占めた。
(Yahoo! ニュースより)
つまり、11月12月の2カ月余りで、ざっくり中国・ベトナム・インドネシアからの入国およそ6万8千人のうち約8割の5万5千人程度の外国人が「留学」「技能実習」で入国したと考えられます。
外国人の技能実習生をなぜ受け入れたいのか?そこにある利権
そもそも外国人の「技能実習」とは何か?厚生労働省のサイトにはこのような説明があります。
外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。
この説明から、外国人技能実習制度は「技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展」を図るためのものだとわかります。
すなわち、外国人技能実習制度の目的は日本の経済発展のためではありません。
では、なぜこれを推し進めたいのか。やはり「利権」が絡んでいるようです。

監理団体には、実習生1人の仲介につき、月3~5万円程度の「管理費」が入るのです。
つまり実習生を多く受け入れれば多くの収入が監理団体に入るという利権が設定されています。
では、この監理団体とはどのようなものか?
外国人技能実習機構のサイトから
許可監理団体(一般)(令和3年1月12日現在)(PDF) が1600以上
許可監理団体(特定)(令和3年1月12日現在)(PDF) が1500以上
あることがわかります。
そして、この技能実習生を含めて、「共に活躍できるグローバル人材共生社会をめざして」というスローガンで、「技能実習制度と特定技能制度を一貫性ある制度」に改革する団体が「外国人材共生支援全国協会」です。
この団体の最高顧問となっているのが、あの二階俊博 自民党幹事長です。
まとめ
・1月13日発表の入国制限は「全面的」ではなく「特段の事情」を許す
・2020年11月12月に入国した外国人9万人強のうち5万人強が中国ベトナムなどの「留学生」「実習生」
・「実習生」の利権を持つ「監理団体」が存在
・その「監理団体」の上位団体の最高顧問は二階俊博氏