10代20代の若者は1日15分もテレビを見ない
NHK放送文化研究所が発表した調査結果によって、若者の「テレビ離れ」が加速していることが鮮明になっています。
この調査結果について報じた記事によれば、
調査日にテレビを15分以上視聴した場合のみ「見た」として集計。
平日に「見た」人は、
10~15歳56%(前回2015年は78%、22ポイント減)▽16~19歳47%(同71%、24ポイント減)▽20代51%(同69%、18ポイント減)。いずれも5年で20ポイント前後減った。
上の年代でも、30代63%(同75%、12ポイント減)▽40代68%(同81%、13ポイント減)▽50代83%(同90%、7ポイント減)と減少。60代は前回と同じ94%、70歳以上は95%
「たった15分」テレビを見るかどうかという、シンプルな調査ですが、このデータから若年層の部分をわかりやすくグラフにしてみました。特に2015年と2020年の推移を見るとテレビの凋落ぶりがよくわかります。
ネットに敗北したテレビと新聞
では、10代や20代の若者に何が起きているのか?一言でいえば「ネットに敗北」です。
総務省による「令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」のデータを見れば明らかです。
最初が「平日」の主なメディアの利用時間ですが、10代と20代はテレビよりネット利用時間がはるかに長いことがわかります。
次に「休日」ですが、やはり、10代と20代はテレビよりネット利用時間がはるかに長いことがわかります。
特に10代においては、休日のネット利用時間はテレビの約2.7倍であり「惨敗」です。
では若者はネットを何に使っているのか?
同じく総務省の調査から、簡単にいえば「10代は動画サイト」「20代はソーシャル」ということがわかります。
特に下の「休日」のグラフからわかるのですが、10代は動画サイトを約114分、すなわち2時間近く利用していることがわかります。
最近ショッピングモールのカフェテリアのような場所で、子供たちが夢中でYouTubeを見ているような光景を目にしますが、もほや「テレビっ子」という言葉は死語であり、「動画っ子」なのです。
面白い番組をつくれないテレビはオワコン
では、なぜテレビはネットに負けるようになったのでしょうか?単純にいえば「面白い番組がつくれない」からです。テレビ局の基幹コンテンツはニュースなどに較べて視聴率が高くなるはずのドラマですが、今期のドラマは不発です。今季の民放のドラマといえば、「ドラゴン桜」「特捜9(テレビ朝日)」「イチケイのカラス」といったあたりですが、視聴率は12%前後であり、最終回が30%超えした昨年の「半沢直樹」のようなヒット作とはかけ離れています。また、ニュースや情報番組は、専門家でない芸能人などが新型コロナの不安を煽り政権批判をするだけの価値がないものばかりで、大人にとっても子どもにとっても面白くありません。
もはやネットという強力なライバルが現れた今となっては、テレビ業界が面白い番組をつくれるよう復活する見込みはないので、テレビ局は媒体価値を失いクライアントが離れ、収入の柱である広告収入もネットに奪われています。面白い番組もつくれず偏向報道だけは繰り返すテレビ業界に明日はありません。