【よくわかる】4大政党の比較 – 自民・公明・立民・共産 (後編)

【よくわかる】4大政党の比較 – 自民・公明・立民・共産 (後編)

自民・公明・立民・共産の4大政党を比較 (続き)

前回の記事に続いて、

自民・公明・立民・共産の4大政党の「比較表」から、政党ごとの「キャラ」や「特徴」がわかるようにしていきます。

作成した表の全体像は以下のようになります。前回の記事では1~10の比較項目について書きましたので、今回は11「国防」から書いていきます。

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国防、自衛隊、憲法9条改正など

現在の共産は、かつてのようにあからさまな「反安保」「反自衛隊」を打ち出さず、「当面は安保容認」「侵略を受けたら自衛隊を活用」など「安保容認・自衛隊容認」ととれる発言もしていますが、これは国民から嫌われないようにするための玉虫色の方便とみるべきです。つまり基本は「反安保」「反自衛隊」です。共産の綱領には「日米安保条約を、条約第十条の手続き(アメリカ政府への通告)によって廃棄し、アメリカ軍とその軍事基地を撤退させる」「自衛隊は解消」と書いてあり、根本的な「反米」の姿勢も変わっていませんそして「自衛隊は違憲」と主張しながら憲法改正、特に9条改正には絶対反対という矛盾のある主張を続けています。国家権力が大きくなることを否定する共産主義の立場から防衛力を拡大することに反対なのですが、日本の防衛費の3~4倍の軍事予算を持つ中国から日本をどう守るのか?反中国共産党の立場をとりながら共産はその答えを持っていないでしょう。なぜなら共産は「国」を否定しているのだから「国を守る」意識がないのです。

立民の国防に関する考え方は、ホームページに書かれている「我が国周辺の安全保障環境を直視し、専守防衛のための自衛力を着実に整備して国民の生命・財産、領土・領海・領空を守ります」という曖昧なものです。日米同盟・安保については容認の立場をとりますが、中国や北朝鮮の脅威から日本をどう守るかという具体論は全くありません。自衛隊は合憲としますが、逆にそれは憲法9条の改正を阻止するためです。非武装・安保廃棄を掲げていた旧社会党の流れを汲む立民は、国防に関して総じて無策であり、中国・北朝鮮の脅威が増す現在の東アジアの情勢を考慮していません。また立民は旧民主党時代にも中国や北朝鮮に対して甘い対応を続けてきました。

公明は国防について「日本を取り巻く安全保障環境の変化に対応できる防衛力を整備するため、新たな装備品の導入も考えられるが、現行憲法や専守防衛の理念から外れるようなことがあってはならない」と、おおまかにいえば現状維持の考え方です。安保に関しても基本的には容認。憲法9条については1項2項を維持した上で、議論の必要ありとしています。しかし、公明の場合、常に中国ファーストの政党であることを忘れてはいけません。過去に中国との国交回復のために安保廃棄をめざし、憲法改正にも反対だった考え方が、今も党の本音だとみるべきです。これが軟化したのは、自民党との連立によって与党でありたいこと、そして、自民党を支持する保守層を創価学会にとりこむためであり、本音は中国に対する日本の抑止力の拡大を望まないのです。

自民は「力強い外交・防衛で国益を守る」という方針を打ち出しており、「日米同盟をより一層強固にし、ゆるぎない防衛力を整備」「米国はじめ国際社会と緊密に連携し、北朝鮮の核・ミサイルの完全な放棄を迫る」「自衛隊の体制を抜本的に強化」など安保・日米同盟・自衛隊による国防について明確にし、さらに「弾道ミサイル対処能力を進化させる」「水陸両用作戦」など具体的な方法論も講じています。憲法9条改正についても「自衛隊」の明記と「自衛の措置」の言及を明確に主張しています。そして、日米豪印の連携による「自由で開かれたインド太平洋」の戦略によって中国への抑止力を高めようとしています。
このように自民は国防について最もよく考え戦略も練っているのですが、問題は、一枚岩の政党でないため、時として自民内部の親中派によってブレたり(例:対中国非難決議)、公明に希薄化されたり(例:集団的自衛権)することです。

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原発、外国人参政権、移民・難民など

原発を含めエネルギー政策に関しては、自民以外は、時期や方法論などの違いはあるものの「原発ゼロ」を目指す、としています。
共産は最も早期に原発ゼロに舵を切った政党ですが、これは「反米」の立場から米国と自民による原発推進を止めたかったことと、原子力のイメージを下げることによって日本の核武装論をなくしたいからでしょう。
立民の原発に対する方針はいろいろ変化していますが、もともと旧民主党は原子力発電を「温暖化対策の切り札」として推進していたのですが、福島の事故後に方針転換し、脱原発と再生エネルギー、特に太陽光発電を推進しました。現在は党の綱領に「原発ゼロ社会」の実現を掲げています。
公明はもともと自民とともに原発を推進してきたのですが、福島の事故後2012年の選挙から原発ゼロをアピールしました。これは当時の原発への世論を利用した選挙対策だったと見るべきでしょう。
自民は責任ある与党として現実路線をとり、原発依存を少なくしながら、原発のリプレース(建て替え)や新増設を含めて原発再稼働を認めます。なぜなら現在の再生エネルギー技術では日本の電力需要はまかなえず、太陽光発電ができない夜間においては火力発電で補完する必要があり、むしろ電力コストが上昇して経済にも悪影響が与えるからです。「原発ゼロ」をアピールする自民以外の党は、このような再生エネルギーの力不足やコスト上昇の現実を隠蔽しているのです。しかし、その自民も時代の流れには逆らえず小泉進次郎環境相のような脱原発・再生エネルギー推進派と意見がわかれているのが現状です。

外国人参政権については自民は反対、そして共産と公明は明確に推進しています。立民は明確に賛成も反対もしていませんが、旧民主党が強力に推進していたことと、幹部クラスも含め、立民の数多くの議員が賛成の立場ですので、外国人参政権推進と見るべきです。

移民・難民も含めて外国人全般の受け入れについては、共産と公明は「増やす」方向性で、「多様性」「共生社会」を主張する立民も「増やす」方向の考え方です。特に難民については、2月に共産、立民などの野党が共同で「難民等保護法案」を提出したこと、

外国人の収容や送還のルールを見直す入管法改正案には反対し、難民受け入れ拡大の方向を明確にしています。公明はもともと創価学会の世界進出のために外国人の受け入れに積極的です。自民党も経済界からの希望に沿うように外国人材の受け入れには積極的です。しかし、前述の外国人参政権の付与や、日本人から外国人へのヘイトスピーチに罰則を課す条例の制定など、外国人の権利を拡大する政策に対しては慎重です。自民だけが「日本の国益」を意識しているからです。

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夫婦別性、LGBT、福祉と教育など

夫婦別性については、自民は基本的に反対ですが、それ以外の共産・立民・公明は賛成です
共産は日本の伝統的な価値観を壊したいことと、共産主義のバイブルであるマルクスの思想においても「性差別は階級差別と密接に関わっていて、男女の間柄を階級対立、階級闘争として捉え、性別差をなくし「母性」「家族」を否定する考え方があり、(多くの場合)女性が男性の性を名乗るという伝統をなくしたいのです。そして「男女平等」を掲げて現政権を叩く材料にしているのです。
立民も「多様性」「共生社会」を掲げており、「男女平等」が実現されてないとして、現政権を叩いています。
公明は男女平等・女性の社会進出などを掲げて、本年2021年に選択的夫婦別性を公約にしています。しかし、これは本年の衆議院選挙を意識したパフォーマンスでもあるでしょう。
自民だけが「家族の絆」を大切にするために「同性」にこだわっています。しかし、自民内部でも意見は分かれつつあるようです。

LGBT法案についても夫婦別性と同様に自民は慎重、共産・立憲・公明は推進し、という構図です。こちらも「差別解消」「平等」を掲げて、慎重な自民を叩くという攻防が続いています。LGBT法案とほぼセットになる「同性婚」も同じ構図です。

福祉と教育については、特に選挙のために重要な政策であるため、4大政党すべてが「重視」といいますが、主張は各党によって違います。自民・公明は与党として、財源も考慮して現実的な政策を打ち出しますが、共産と立民は財源などを考慮せず政権批判になりがちです。焦点になりがちなのは高齢者をいかにケアするか(年金、医療保険)と、子供をいかにケアするか(育児の手当、教育費用の支援)ですが、この部分は複雑かつ多岐に渡るために本記事で短くまとめるのは難しく、別な機会に記事にしたいと思います。

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議員数

現時点で、衆議院においては、自民が単独過半数を獲得しており、他党を圧倒しています。しかしながら、自民の党是である、憲法改正を実現するには、できれば単独で3分の2以上の議席数を獲得する必要があり、現状では、公明党への依存度が高く自民の思うような改憲はできません。

また本年2021年の衆議院選では、苦戦が予想され、単独過半数を維持できるかが焦点のひとつです。

参議院においても自民が数字的には強いですが、単独過半数に達していません。
現時点では改憲への道のりは遠いといわざるを得ません。

国政で自民が強いのは周知の通りですが、地方議員に着目すると、特に市区町村議員については、自民よりも公明や共産が多いことは注目しておく必要があります。つまり、地方の選挙で公明や共産は強いのです。そして、公明・立民・共産が結託してLGBTを擁護する条例や、ヘイトスピーチ禁止条例などのリベラル寄りな政治を自治体レベルで展開することがあります。公明は戦術的に「与党」の側につくことが多く、例えば大阪都構想の住民投票においては、山口代表が維新の応援をしました。

自民は公明への依存を少なくするために本年の衆議院選挙でどこまで議席を維持できるか。正念場です。

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参考情報

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